プリンターインク専門店が純正インクカートリッジを解体して構造を比較解説 安くて長く使えるのはどれ?

エコッテ まえの
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純正インクカートリッジを解体してみた

意外と知らないプリンターインクのカートリッジ。インク切れで交換するカートリッジの内部構造と仕組みを知っていると、お使いのプリンターがより扱いやすくコスパ対策にもつながります。インク専門店・詰め替えインクのエコッテがCanon・EPSON・Brother等人気のプリンターメーカー純正カートリッジを実際に分解して解説します。

この記事の目次

インクカートリッジの中身ってどうなってるの?

question

中が見えないインクカートリッジ、いろんなメーカーがあるけど中はどんな違いがあるのでしょうか?

インクカートリッジの種類は大きく分けて2つに分かれる

大きく分けると

  1. 「プリントヘッドの有無」
  2. 「スポンジの有無」

の2種類のみ。

インクカートリッジのプリントヘッドの有無とは

プリントヘッドとは、印刷データを紙に転写する部分を指します。

インクカートリッジには、この プリントヘッドが「プリンタに内蔵されている独立型カートリッジ」と、「カートリッジに内蔵している一体型カートリッジ」があります。

プリントヘッドがついていない独立型インクカートリッジ

370+371_5mp

独立型カートリッジはヘッドがプリンターに内蔵されているため、プリンターが高くインクが安い傾向にあります

ヘッド部分

ヘッドBCI 系_4

写真のようなヘッドがプリンタに内蔵されており、ヘッドを通して各色印刷を行います。(写真はキャノンBCI系のヘッド。通常このヘッドは取れません。こちらは研究用にプリンターを解体して取り出したものです)

独立型インクカートリッジの特徴

  • 色が一色ずつ分かれている
  • ヘッドがついていない

独立型インクカートリッジのメリット・デメリット

メリット 一体型に比べてヘッドがない分インク代が安い
無くなった色だけ一色ずつインク交換ができる
デメリット ヘッドがプリンタ内蔵なので
ヘッドが故障するとプリンターを修理に出さないといけない

プリンターメーカー別独立型インクカートリッジの特徴

Canon 独立型インクカートリッジの特徴

独立型カートリッジ

ヘッドはプリンタ内蔵式でカートリッジ内にスポンジがあります。スポンジがあることで適量のインクを排出することが可能です。インク詰め替え時は吹き出し口からインクを垂らすだけで詰め替え可能なので、とても簡単です。

エプソン 独立型インクカートリッジの特徴

独立型カートリッジ特徴
ヘッドはプリンタ内蔵式でカートリッジ内にはスポンジがありません。スポンジがないので乾燥や劣化に強いです。インク詰め替え時はキャノン同様吹き出し口からインクを垂らすだけで詰め替え可能なので、とても簡単です。内部構造が複雑で詰め替えが難しいものは専用カートリッジが発売されています。

ブラザー 独立型インクカートリッジの特徴

ブラザー独立型カートリッジ
ヘッドはプリンタ内蔵式でカートリッジ内にはスポンジがありません。スポンジがないので乾燥や劣化に強いです。インク詰め替え時はインク吐き出し口に詰め替えインクを指して注入するだけなので、とても簡単です。内部構造が複雑で詰め替えが難しいものは専用カートリッジが発売されています。

★インク専門店スタッフからワンポイント★
詰め替えインクを検討中なら独立型がオススメ!独立型のほとんどはインク吐き出し口からインクを注入するだけで詰め替えができます。

プリントヘッド内蔵一体型インクカートリッジ

一体型カートリッジ
一体型はヘッドがインクカートリッジについているので、プリンタ代が安くインク代が高い傾向があります

プリントヘッド

プリントヘッド一体型インクカートリッジの特徴

  • カラーは一つのカートリッジに一緒に入っている
  • ヘッドがカートリッジについている

プリントヘッド一体型インクカートリッジのメリット・デメリット

メリット ヘッドが目詰まりしたときはカートリッジを交換するだけで目詰まりが直る
デメリット カラーは一色でもなくなったらカートリッジを変える必要がある
ヘッドがカートリッジについているので、カートリッジが高い

プリンターメーカー別ヘッド一体型インクカートリッジの特徴

ここからはプリンターメーカー別に、カートリッジの特徴を紹介していきます。

Canon ヘッド一体型インクカートリッジの特徴

一体型カートリッジ特徴
インクを詰め替える際は、インク吐き出し口からインクを吸収しないので、カートリッジ上部にドリルで穴をあける必要があります。

★インク専門店スタッフからワンポイント★
一体型はカートリッジを交換すればヘッドも新品になるので、目詰まりも同時に直ります。カートリッジ本体が高いのは困りものですが、目詰まりの心配が少ないのはうれしいポイントです♪

インクカートリッジのスポンジの有無とは

スポンジの役目は、「インクを適量に出すこと」「空気とインクが混ざることを防いでインクの劣化を防ぐこと」です。スポンジが入っていないカートリッジは、特殊な内部構造で空気とインクが混ざることを防いでいます。解体して詳しくみてみましょう。

メーカー インクカートリッジのスポンジの有無
キャノン あり
エプソン なし
ブラザー なし
HP 型番による

 

インクカートリッジを実際に解体して中の構造を比較

ここからは実際に、インク専門店・詰め替えインクのエコッテがインクカートリッジを分解して中の構造を解説していきます。
(※カートリッジを分解してしまうと正しく使用できなくなる恐れがあるため、分解しての使用はお控えください。エコッテでは、詰め替えインクの正しい使い方について各プリンター・インク型番専用商品に取扱説明書をお付けしています。)

Canonのインクカートリッジの構造と特徴

キャノン独立型インクカートリッジの構造編

キャノン独立型セット

キャノンの独立型は、インク型番がBCIから始まります。
インク中身

中を見るとスポンジの部屋とインクの部屋に分かれています。bci系

キャノンメーカーでは、〇がついている部分からインクを補充しているようです。その証拠に、そこには穴があった形跡があり、その穴はボールのようなものでふさがれていました。

右のインクの部屋から矢印の部分に開いている穴を通って、インクがスポンジに染み込み、インクを適量吐き出す仕組みのようです。

スポンジ中身

左に入っているスポンジをよく見るとスポンジは3層に分かれていて、それぞれの階層でスポンジの目の細かさが異なっていました。

このスポンジの目の細かさの工夫がキャノンのきれいな印刷品質の秘密のようです!

他社詰め替え

上記は他社詰め替えインクカートリッジですが、やはり純正のような3層にはなっていません。キャノンのように3層にするのは非常に高度な技術が必要なのです。

エコッテが詰め替えも純正品にこだわるのは、純正カートリッジに詰め替えることが、印刷品質を上げる一番の方法だと考えているからです。
せっかく素晴らしいスポンジをキャノンが作ってくれているので、それを使うのが印刷品質を最も上げる方法だと考えています。

キャノン 独立型カートリッジ詰め替えインク一覧

キャノン一体型インクカートリッジの構造編

bc-canon-set

キャノンの一体型、インク型番がBCから始まります。ヘッドをつける構造が複雑なので互換インクはありません。再生(リサイクル)インクか詰め替えインクのみになります。

まずは、カラーを解体してみます。

  1. カートリッジの中身は3つの部屋に分かれていました。
  2. シールが貼ってあった部分をはがしてみるとインクを充填するようと思われる3つの丸いくぼみがありました。
  3. 充填後にフタの裏側から穴を埋めてたと思われるパーツたち。

カラーの形状は型番が変わってもほとんど同じ形状でした

続いて、黒のカートリッジを解体してみます。

bc-black

シールをはがしてみると、 型番によってカートリッジ上部のフタの形状が異なることがわかりました

bc-blackフタをあけると中のスポンジの仕様は同じでした。

bc-black

フタの裏面の形状やヘッドの形状は異なります。

bc-black

高さもカートリッジによって異なりました。bc-black

フタの形状が異なるので、詰め替えインクを補充する際は赤丸の箇所にそれぞれ穴をあけます。BC-360はカラーと同じように丸がある部分に穴を開けます。BC-345は格子上の部分が少しやりにくいので、格子の上の部分にドリルで穴を開けて詰め替えます。どちらもスポンジは全体がつながっているので、丸の箇所以外でも補充は可能です。

★インク専門店スタッフからワンポイント★

一体型カートリッジは詰め替えインクとの相性が抜群です!一体型カートリッジのカラーは、一色でもなくなるとカートリッジを交換しなければいけませんが、詰め替えインクなら無くなった色だけを補充してまた使えるので、節約効果が絶大です!

Canon 一体型カートリッジ詰め替えインク

EPSONのインクカートリッジの構造と特徴

EPSONはスポンジを使用していません。エプソンのインクカートリッジは一見同じに見えますが、カートリッジを開けると「ばね+フィルム」と「フィルム+迷路」になっているものがあります。今回はリコーダー、クマノミ、ICCL70を開けてみました。

ばね+フィルムタイプ インクカートリッジの解体

エプソン解体

IC6CL70やKAM(カメ)、KUI(クマノミ)が袋タイプです。
ばね系
あけてみると、ばねが中に入っていて、インクが漏れないようにフィルムが貼ってありました。

フィルム+迷路タイプ インクカートリッジの解体

リコーダー

少し角ばったタイプの四角いエプソンカートリッジは、ほとんどが迷路のような形状になっています。

リコーダーフタを開けると、中に黒いフィルムが貼られています。
リコーダー
フィルムを剥がすと迷路のように複雑になった構造が見えます。迷路状を採用しているメーカーはエプソンだけで、中身が複雑なので、詰め替えが難しく、エプソンは純正インクに詰め替えができないものもあります。その場合、エプソンでは詰め替え専用カートリッジを開発・販売しています。

エプソン 純正インクカートリッジに詰め替えるインク

エプソン専用インクカートリッジに詰め替えるインク

  • RDH-4CL(リコーダー) 詰め替えインク
  • IC4CL69(砂時計) 詰め替えインク
  • IIC4CL74(方位磁石) 詰め替えインク(カートリッジ販売終了)

hp一体型インクカートリッジの構造と特徴編

最近のhpはスポンジが小さくなってきているのが特徴ですね。左が最近のカートリッジです。とても小さくなってますね。
HPインクスポンジ
HPインクスポンジ1
スポンジを比べてみるとこんなに違います。

hp独立型のインクカートリッジ解体

hpの独立型は色々ありますが、今回はCanonと同じ構造の
独立型を取り上げてみました。
HPインク独立型
Canonの独立型と同様、カートリッジ内部がスポンジとインクの部屋にわかれています。
画像はhp920ですが、hp178も全く同じです。詰め替え方法はキャノン同様供給口からインクを垂らす方法で補充します。

※HPは現在新規様用の詰め替えを販売していません

こんなに違うプリンター各社インクカートリッジの見た目

Canonのインクカートリッジ

 

独立型カートリッジ 一体型カートリッジ
Canon 381380BCI-381+380/6MP 詰め替えインク
BCI-381+380/5MP 詰め替えインク
BCI-371+370/6MP 詰め替えインク
BCI-371+370/5MP 詰め替えインク
Canon 360BC-360 BC-361 詰め替えインク
BC-345 BC-346 詰め替えインク
BC-340 BC-341 詰め替えインク

EPSONのインクカートリッジ

独立型カートリッジ
RDH kam
・RDH-4CL(リコーダー)詰め替えインク
・IC4CL69(砂時計)詰め替えインク
・IC4CL74(方位磁石)詰め替えインク
KAM-6CL(カメ) 詰め替えインク
KUI-6CL(クマノミ)詰め替えインク
ITH-6CL(イチョウ)詰め替えインク
SAT-6CL(サツマイモ)詰め替えインク

brotherのインクカートリッジ

独立型カートリッジ
3111 213
LC3129-4PK 詰め替えインク
LC3119-4PK 詰め替えインク
LC3111-4PK 詰め替えインク?
LC213-4PK LC217/215-4PK LC219/215-4PK? 詰め替えインク
LC211-4PK 詰め替えインク
LC113-4PK LC117/115-4PK LC119/115-4PK 詰め替えインク
LC111-4PK 詰め替えインク
LC110-4PK 詰め替えインク
LC21E-4PK 詰め替えインク

プリンターインク一覧表で詰め替えインクと互換インクの販売状況が確認できます。

プリンターインクカートリッジの基盤(ICチップ)

Canonチップ

キャノン一体型基盤

EPSONチップ

エプソンICチップ

brotherチップ

ブラザーICチップ

各メーカーで形はまったく異なりますが、最近のインクには必ず基盤(ICチップ)がついています。一体型のものを基盤、独立型のものをICチップと呼びます。

基盤はインク残量表示やカートリッジに不備がないか、メーカーによってはインクの有効期限も管理しています。基盤(ICチップ)は精密機械なので、傷つくとカートリッジは認識されなくなりますので、 取扱いには注意してください。

インクカートリッジの構造と特徴まとめ

レビュー
解体したことで各メーカーがよりよい品質を求めて、カートリッジにいろいろな工夫をこらしているのがわかりました。

品質はメーカー純正インクカートリッジが最高 コスト削減には詰め替えインクが最適

互換・詰め替えメーカーではどうしても純正メーカーにかなわない部分があるので、エコッテでは、これからも純正メーカーの研究を怠らず、純正メーカーのいいところを活かしつつ、詰め替えでリーズナブルにより良い商品をお届けできるよう研究を続けていきます。

大量印刷に嬉しいエコタンク対応プリンターも人気

最後に、最近増えてきた「カートリッジを使用しないエコタンク」という大容量プリンター用のインクにも触れたいと思います。

ケンダマ
エコタンクとは、インクボトルをプリンターにさしてインクを補充するだけのインクです。

ヘッドもICチップもプリンターについているので、インク交換時にインク液体分しか費用がかからず、インク代がかなり安く抑えられます。キャノンのエコタンクであれば、 インク代がカートリッジに比べて4分の1になる型番もあります。ビジネス用や町内会で使うなど大量印刷をされる方にはとってもオススメのインクです。

エコッテならエコタンクの互換インクを 純正品の約半額で販売していますので、さらにお得にお使いいただけます。エプソン用もご用意がありますので、ぜひインク代の節約にご活用ください。

この記事を書いた人

エコッテ まえの
エコッテ まえの
詰め替えインクのエコッテのスタッフ前野です。
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この記事を書いた人

エコッテ まえの
エコッテ まえの
詰め替えインクのエコッテのスタッフ前野です。

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