「TS3530のインクランプが点滅したまま消えない」「カートリッジを入れ替えたのに印刷できない」――Canon PIXUS TS3530(およびTS3500シリーズ/TS3530S)を使い始めたばかりの方から、毎月のように寄せられる相談です。TS3530は黒(BC-365)と3色一体(BC-366)のFINEカートリッジ2本構成とシンプルですが、操作パネルが小さく、表示エラーの意味やリセット手順が分かりにくいのが弱点です。
本記事では、TS3530のインク交換手順を最新の純正マニュアルに沿って図解的に説明したうえで、ランプ点滅やE13エラーの対処、互換インク・詰め替えインクへ切り替える時の注意点まで、ユーザーがつまずきがちなポイントを一気にまとめます。互換インクのエコッテで日々受けているお問い合わせ事例も交え、印刷コストを下げながら長く使うコツを解説します。
この記事の目次
1. TS3530の対応カートリッジと、まず最初に押さえる3つのこと
TS3530の対応カートリッジは、ブラック1本+3色一体1本の合計2本構成です。家庭用としては最も交換頻度が低く、扱いやすい部類のプリンターと言えます。
| 項目 | ブラック | 3色(C/M/Y一体) |
|---|---|---|
| 標準容量 | BC-365 | BC-366 |
| 大容量 | BC-365XL | BC-366XL |
| 形式 | FINEカートリッジ(顔料ブラック) | FINEカートリッジ(染料3色一体) |
| 対応機種 | PIXUS TS3530/TS3530S/TS3730(兼用) | |
交換の前に必ず確認しておきたいのは、次の3点です。
- 標準容量と大容量で印刷可能枚数が約2倍違うこと。BC-365に対しBC-365XLは約2倍の印刷量で、ページ単価がぐっと下がります。
- カラー(BC-366)は3色一体型のため、たとえ黒だけ多用していても、カラー側はどれか1色がなくなった時点で全色交換になります。
- BC-365/366は詰め替えインクで3〜4回は再利用が可能な設計のため、コストを下げたいなら最初から「詰め替え運用」を視野に入れておくと、毎回新品を買い続けるより圧倒的に安く済みます。
2. TS3530のインク交換手順(純正マニュアル準拠)
まず、プリンターが動作中(ランプ点滅中)でもいきなり電源を切らず、印刷ジョブを止めてから交換に入ります。電源OFF状態ではホルダー(プリントヘッド)が中央に出てこないため交換できません。
STEP1. 電源ONのまま、給紙トレイとカバーを開ける
背面の給紙トレイを立て、本体前面のカートリッジカバーをゆっくり持ち上げます。ホルダーが自動で交換位置に移動し、カチッと止まるのを待ちます。途中で無理に手で動かさないでください。
STEP2. なくなったカートリッジを取り外す
固定レバーを「カチッ」と音がするまで下げると、カートリッジが浮き上がって外せます。右側がブラック(BC-365)、左側がカラー(BC-366)と決まっているので、間違えて入れ替えないよう注意してください。
STEP3. 新しいカートリッジを準備する
新品のカートリッジを箱から取り出したら、底面のオレンジ色の保護テープと、上面のフィルムを真上方向にまっすぐ剥がします。電極部(金色の端子)と上面のインク供給口には絶対に触れないでください。指の油や埃が付くと、インクランプ点灯やかすれの原因になります。
STEP4. 新しいカートリッジを装着し、レバーを上げる
カラーは左、ブラックは右のホルダーに、ラベル面を手前にしてゆっくり斜めに差し込みます。固定レバーをしっかり上まで戻し、「カチッ」と音がしてロックがかかるのを確認します。レバーが半端な位置だと、装着済みでもインクランプが点灯し続けます。
STEP5. カバーを閉じてアラインメント(位置調整)を行う
カバーを静かに閉じ、ホルダーが元の位置に戻るのを待ちます。続いて、自動でプリントヘッド位置調整シートが印字されるか、操作パネルから手動でアラインメントを行います。これを省くと文字や写真が二重にぶれて見えるので、面倒でも必ず実行してください。
3. 交換後にインクランプが点滅/E13が出るときの対処
交換してもインクランプの点滅が消えない、液晶に「E13」「E16」が出る、というのはTS3530で最も多いトラブルです。原因はほぼ次のいずれかに分けられます。
| 症状 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 装着直後にインクランプ点灯 | 保護テープの剥がし忘れ/電極部の汚れ | 一度取り外し、テープと端子を確認のうえ再装着 |
| E13/E16が表示 | 残量検知の誤検出(互換・詰め替え時に多い) | 本体の「ストップ」ボタンを5秒以上長押し。ランプは点滅したまま印刷可能になる |
| レバーが半固定 | カチッという最後のロックが入っていない | レバーを上端までしっかり押し上げる |
| 印字がかすれる/白筋が出る | ノズル詰まり | 操作パネルからクリーニング1〜2回。改善しなければ強力クリーニング |
E13に関しては、Canon公式の挙動として「残量検知をオフにすれば、ランプ点滅したままでも印刷自体は継続できる」設計になっています。インク残量はあくまで参考値となるため、印字かすれが出始めたら早めに交換する運用に切り替えるとトラブルが減ります。
4. 純正・互換・詰め替えのコスト比較(TS3530の場合)
TS3530は本体価格が抑えられている分、ランニングコストでどう運用するかが家計に直結します。1ページあたりの目安をざっくり整理しました(A4・標準モード・カラー文書中心の家庭利用を想定)。
| 運用パターン | 初期コスト | 1ページ単価の目安 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 純正BC-365/366(標準容量) | 低 | 高い | 不具合時の純正サポート | 2本セットで1万円近くなることも |
| 純正BC-365XL/366XL(大容量) | 中 | 標準より約半分 | 交換頻度が約半分になり手間が減る | ライト用途では使い切る前に乾燥のリスク |
| 互換カートリッジ | 低 | 純正の半額以下 | 1本ずつ気軽に試せる | 製品差が大きいので信頼できる店で買う |
| 詰め替えインク(推奨) | 中 | 純正の1/5〜1/8程度 | 同じカートリッジを3〜4回再利用できる | 初回はテープ穴あけや位置決めの慣れが必要 |
「文書中心で月100枚程度印刷する」家庭の場合、純正BC-365/366を毎回買い替えると年間1〜2万円のインク代が積み上がりますが、詰め替え運用に切り替えると年間2,000〜4,000円程度まで圧縮できる計算です。お子さんのプリント類を頻繁に印刷するご家庭ほど、差が大きく出ます。
5. 互換・詰め替えインクへ切り替えるときの選び方チェックリスト
「思い切って互換に切り替えたい」「詰め替えに挑戦したい」という方が事前に確認すべきポイントを、現場で寄せられる質問順に並べます。
- 対応機種にTS3530/TS3530S/TS3730が明記されているか。同じBC-365/366でも、対応表記がない商品は避けます。
- 「残量検知非対応/非サポート」の記載があるか。互換・詰め替え品はほぼ残量検知が無効化されるため、E13対処(ストップボタン長押し)が必須になります。
- 顔料ブラック・染料カラーの組み合わせか。Canon純正と同じく、ブラックは顔料、カラーは染料の組合せでないと文字のにじみが出ます。
- 初心者向けセット(説明書・治具・スポンジ付き)の有無。初回は治具のあるビギナーセットが圧倒的に失敗しにくいです。
- 詰め替え可能回数。同じカートリッジで3〜4回は再利用できる商品を選ぶと、ランニングコストが下がります。
- サポート窓口の連絡しやすさ。互換品はトラブル時の対応窓口が明示されている店舗を選ぶのが安全です。
エコッテでは、TS3530/TS3730ユーザー向けに、初めての方でも失敗しにくいBC-365/BC-366ビギナーセットを用意しています。専用治具・詰め替え用カートリッジ・インクボトルがすべてそろっており、はじめての詰め替えでも順番通り進めれば30分以内で完了します。
- BC-365/BC-366 詰め替えインク総合カテゴリ:https://www.ecotte-shop.com/c/ink/canon-ink/BC-365366/
- BC-365/BC-366 ビギナーセット:https://www.ecotte-shop.com/c/ink/canon-ink/BC-365366/BC-365366-r/bc-365366-beginner
6. よくある質問(FAQ)
Q. 交換後すぐに印刷したらインクが薄い・かすれる。
A. 装着直後はノズル内に空気が残っていることがあります。1〜2回ノズルクリーニング→ノズルチェックパターン印刷で改善します。
Q. 黒だけ早くなくなる。色も全部買い替え?
A. ブラック(BC-365)と3色一体カラー(BC-366)は独立して交換可能です。減りが早い黒だけ単品で買い足してOKです。
Q. しばらく使わなかったらインクが固まった。
A. 月1回以上、最低A4を1〜2枚カラー印刷することで、ノズル詰まりの予防になります。詰まり始めたら早めの強力クリーニング、それでも改善しなければカートリッジ交換を検討してください。
Q. 純正と互換、混在で使っていい?
A. 物理的には可能ですが、純正と互換を交互に切り替えると残量検知の挙動が不安定になりがちです。ブラック側は純正、カラー側は互換、のように役割を固定するのが安全です。
7. まとめ:TS3530のインク交換は手順とリセット術を覚えれば毎月の印刷費が劇的に下がる
TS3530のインク交換は、「電源ONで開ける」「保護テープを真上に剥がす」「レバーを最後までカチッと上げる」「アラインメントを必ず行う」の4点を押さえれば失敗しません。交換後にランプが点滅するときは、ストップボタンの5秒長押しでE13を解消し、印字状態を見ながら早めに交換する運用に切り替えるのが現実的です。
ランニングコストを本気で下げたい方は、純正の大容量タイプ(BC-365XL/BC-366XL)から始めるのも良い選択ですが、同じカートリッジを3〜4回詰め替えて使えるエコッテの詰め替えインクに切り替えると、年間のインク代を大きく圧縮できます。まずは下のビギナーセットから、無理なく始めてみてください。
関連記事:キャノン TS3530のインク交換・互換インクは何を選ぶのが正解?(基礎編)/詰め替えインク使用時の残量表示について/Canon BCインクのトラブルとメンテナンス
楽天店舗:エコッテ楽天市場店(Canon BC-365/366シリーズ)
この記事を書いた人
- 「詰め替えインクのエコッテ」のスタッフです。















