「深夜や早朝に印刷すると家族が起きてしまう」「在宅勤務中のWeb会議に印刷音が入ってしまう」「集合住宅で階下に響いていないか気になる」——プリンターの動作音に悩まされている方は少なくありません。最近は静音性を売りにする家庭向けプリンターも増えていますが、既存のプリンターでも設定・環境の工夫でかなり静かにできます。
本記事では、プリンターの動作音が発生する仕組みから、静音モードの活用方法、設置環境の改善、防音対策、静かな機種選びのポイントまで、メーカー公式情報をもとに総合的に解説します。
この記事の目次
1. プリンターがうるさい主な原因|種類別の音の正体
プリンターの動作音は「どんな仕組みで印刷しているか」で原因が異なります。インクジェットとレーザーでは音の出どころが違うため、対策も変わってきます。
| プリンター種類 | 主な音の原因 | 代表的な音 |
|---|---|---|
| インクジェット | ヘッドの横方向往復・紙送りローラー | カシャカシャ、ゴー |
| レーザー | ドラム回転・定着部の加熱ファン・紙送り | ウィーン、ゴー |
| ドットインパクト | 印字ピンの衝撃音 | ガガガガ(最大級に大きい) |
| オートクリーニング時 | インク吸引・ヘッド移動 | ウィーン、ポコポコ |
インクジェットプリンターはプリンターヘッドが高速で横に動き、紙を縦方向に移動させることで印刷を行っています。そのため、ヘッド往復音と紙送り音が重なって「カシャカシャ」という独特の音が発生します。
一方、レーザープリンターは機械内部で熱を使ってドラムというパーツにトナーを付着させる構造のため、可動部分が大きく、加熱・冷却のファン音も加わります。インクジェットに比べて連続音が大きい傾向にあります。
📘 豆知識:音の単位「dB(デシベル)」の目安
家庭用プリンターの動作音は、印刷時でおよそ45〜55dB。これは「図書館の館内」〜「普通の会話」程度の音量です。静音モードで5dB下がれば「ささやき声」に近づく体感になります。
2. 「静音モード」の設定方法|キヤノン・エプソン・ブラザー別
多くの家庭用・ビジネス用プリンターには「静音モード」「動作音低減モード」「クワイエットモード」などの名称で、動作音を抑える機能が搭載されています。設定方法はメーカー・機種で異なりますが、基本はプリンタードライバーから有効化します。
2-1. キヤノン(Canon)の静音モード
- プリンタードライバーのプロパティを開く
- 「ユーティリティ」タブ →「静音設定」を選択
- 「静音モードを使用する」にチェック
- 常時使用、または時間指定(例:22:00〜7:00のみ)を選択
- OK をクリックして設定を反映
2-2. エプソン(EPSON)の動作音低減モード
Windows の場合はドライバーの「基本設定」タブ内で「動作音低減モード」を有効化します。Mac の場合は、システム環境設定からプリンタを選択し、「オプション」内の「動作音低減モード」を有効にします。機種によっては操作パネル上からも設定可能です。
2-3. ブラザー(Brother)の静音モード
ブラザー機は機種により名称が異なりますが、操作パネルの「設定」→「一般設定」→「静音モード」から有効化できます。PC 側からドライバーの「印刷設定」→「拡張機能」から切り替えられる機種もあります。
⚠️ 注意:静音モードの副作用
静音モードを有効にすると印刷速度が約半分〜2/3程度まで低下することがあります。大量印刷には向かないため、普段は通常モード、深夜・早朝だけ静音モードに切り替えるといった使い分けが現実的です。
3. 設置環境で騒音を減らす|今日からできる5つの工夫
プリンター本体の設定だけでなく、置き場所や設置方法によっても体感音量は大きく変わります。特に集合住宅では、「床に直接置く」ことが階下への騒音原因になっているケースが多く見られます。
- 防振マットを敷く:厚さ5〜10mmのゴムマットやコルクボードを敷くと、振動が床へ伝わるのを防げる
- 壁から離して置く:壁に密着していると振動が壁全体に広がる。5cm以上空けるだけで効果あり
- 木製の台の上に置く:スチール製のラックは音が共鳴しやすい。木製の安定した台のほうが静か
- 水平に設置する:傾いた状態だとモーターに余計な負荷がかかり音が大きくなる
- プリンターの周りに本棚を置く:本や書類は優れた吸音材。空間が狭くなりすぎない範囲で配置する
静音モードや設置工夫でも足りない場合、プリンター本体を防音ボックスで覆うという方法があります。ただし、取り扱いには注意点があります。
4-1. 市販の防音ケースを使う
3Dプリンターや小型オーディオ機器向けの防音ケースがプリンターにも流用できます。吸音材が内側に貼られており、5〜10dB程度の低減効果が期待できます。購入する際は「通気口があるタイプ」を選び、熱がこもらない構造になっているか必ず確認しましょう。
4-2. 自作する場合のポイント
- 側面は吸音材(ウレタンフォーム、フェルト等)を貼る
- 上部は取り外し可能にする(紙補給・ヘッド交換のため)
- 必ず通気口を確保(放熱不足は故障の原因)
- 電源ケーブルの通し穴は最小限に
- プリンター周囲には3cm以上の空間を確保
🚫 やってはいけないこと
完全密閉のボックスにプリンターを入れると、内部温度が上昇してヘッドが損傷したり、インクが劣化する恐れがあります。またレーザープリンターは発熱量が大きく火災リスクもあるため、密閉型防音対策は絶対に行わないでください。
5. 静かな機種を選ぶ|買い替え時のチェックポイント
根本的に静かな環境を手に入れるなら、静音性能を重視した機種への買い替えも検討に値します。カタログで必ずチェックすべき項目を整理しました。
| チェック項目 | 目安 | 理由 |
|---|---|---|
| 動作音(印刷時) | 45dB以下 | 図書館レベルの静けさ |
| 動作音(スタンバイ) | 30dB以下 | 深夜でも無音に近い |
| 静音モード搭載 | あり | 時間帯で切替可能 |
| 印刷方式 | インクジェット | レーザーより家庭用は静か |
| 給紙方式 | 前面カセット | 背面給紙より音が抑えられる傾向 |
最新のエコタンク搭載モデルや、家庭用インクジェット複合機は、静音設計が進んでおり動作音40dB台前半の機種も増えています。ビジネスレーザーは高速・高耐久な代わりに音が大きい傾向があるため、自宅利用中心ならインクジェットが無難です。
6. まとめ|静音化は「設定 + 環境 + 機種選び」の組み合わせ
プリンターの動作音は、印刷の仕組みそのものに起因するため、完全に消すことはできません。しかし、静音モードの活用、防振マットや木製台の導入、壁からの距離確保、深夜のクリーニング対策といった工夫で、体感音量は大きく変わります。
現行のプリンターで限界を感じている場合、動作音45dB以下・静音モード搭載の機種への買い替えも選択肢です。印刷コストが気になる方は、エコッテの互換インク・詰め替えインクを活用すれば、静かで低コストな印刷環境を両立できます。
よくある質問(FAQ)
Q1. プリンターの動作音が大きいのは故障ですか?
多くの場合は故障ではありません。インクジェットはヘッドの往復、レーザーはドラム回転や加熱ファンなど、印刷の仕組み自体が音を発します。ただし「ガリガリ」「キュルキュル」など明らかな異音がする場合はローラーやヘッドの異常の可能性があるため、メーカーサポートへの相談をおすすめします。
Q2. 静音モードをオンにするとどのくらい静かになりますか?
メーカー・機種によって差がありますが、体感で3〜7dB程度の低減が一般的です。10dB下がれば人の耳には「音が半分」に感じられるため、静音モードだけで劇的に静かになるわけではありませんが、深夜や早朝の印刷では効果を実感しやすくなります。ただし印刷速度は遅くなります。
Q3. 使っていないのにプリンターが動き出すのはなぜ?
インクジェットプリンターの多くは、一定期間使用されないと自動的に「オートクリーニング」を実行します。これはインクの乾燥・目詰まりを防ぐための正常な動作で、故障ではありません。どうしても気になる場合は電源を切っておくことで停止できますが、ヘッドの目詰まりリスクは高まります。
Q4. 騒音対策に防音ボックスは効果がありますか?
効果はありますが注意が必要です。完全密閉すると熱がこもり故障の原因になるため、通気口を確保した市販の防音ケースや、吸音材を貼った棚を活用するのが現実的です。プリンター本体の下に防振マットを敷くだけでも、床伝いの低音振動が軽減され、集合住宅では特に有効です。
Q5. 静かなプリンターを選ぶ際のチェックポイントは?
カタログスペックの「動作音」項目を確認し、印刷時で45dB以下を目安に選ぶと良いでしょう。また、レーザーよりインクジェット、タンク式よりカートリッジ式、ビジネス機より家庭向けモデルのほうが静音設計されている傾向があります。静音モードの搭載有無も必ずチェックしましょう。
この記事を書いた人
- 「詰め替えインクのエコッテ」のスタッフです。













